HISTORY 競技
アムンディエビアン選手権 日本選手の記録
2013(平成25)年から女子のメジャーに
フランスのエビアンリゾートゴルフクラブで開催されているアムンディエビアン選手権が5大会目の女子メジャーとなったのは2013(平成25)年のことである。大会自体は1994(平成6)年に創設されており、当初はエビアンマスターズと呼ばれていた。創設時は欧州女子ツアーの1大会。2000(平成12)年から米女子ツアーとの共催になった。
エビアンマスターズ時代から日本選手との相性が良く、1997(平成9)年には小林浩美が優勝。2009(平成21)年には宮里藍が米女子ツアー初優勝を風光明媚なレマン湖にほど近いこの地で飾った。宮里藍は2011(平成23)年にも優勝している。
2013年にメジャー昇格を果たすと大会名をエビアン選手権に変更。2021(令和3)年からはアムンディエビアン選手権になった。
メジャー1年目は雨の影響で54ホールの短縮競技となった。1打差のトップで最終ラウンドに入ったのは宮里美香。日本選手との相性の良さを改めて示せるチャンスだったが、序盤からスコアを崩して19位に沈み、悔し涙があふれた。
2017(平成29)年、宮里藍のラストゲーム
2017(平成29)年、この年限りで競技の第一線から退くことを発表していた宮里藍がラストゲームに選んだのが本大会だった。暴風雨のため進行中だった第1ラウンドがキャンセルになり、6ホールを終えて3オーバーパーだった宮里藍のスコアも取り消しになった。54ホール短縮が決まって仕切り直しの第1ラウンドで宮里藍は3アンダーパー、68をマークして8位と好発進する。第2、第3ラウンドはともに73と思うようなゴルフができなかったが引退試合を32位で完走。男子グランドスラマーのゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)から花束を渡されるなど多くの関係者やファンからねぎらわれた。
この大会、宮里藍と同じ沖縄県出身の上原彩子が1打差2位で最後の18ホールに入った。途中まで優勝戦線に踏みとどまっていたが13番以降スコアを崩して10位に終わっている。
2019(令和1)年には同年4月のアジア・パシフィック女子アマチュア選手権優勝で出場資格を得た18歳の安田祐香が日本人アマチュアとして初参戦。6人がプレーした日本勢の中で最上位となる37位に入り、ローアマチュアとなった。
2020(令和2)年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大のため中止となる。そして翌2021(令和3)年から若き日本勢の快進撃が始まった。
2021年は大会初出場、21歳の古江彩佳が第1ラウンドから60台のスコアを並べて常に上位に位置し、通算15アンダーパー、269で3打差4位に入る。古江は翌2022(令和4)年の第1ラウンドでメジャーにおける日本選手18ホール最少ストローク新記録となる63をマークして1打差首位でスタートする。第2ラウンド以降、古江は後退するが、代わって大会初出場、20歳の西郷真央が第3ラウンド65、最終ラウンド64と猛烈な追い込みをみせて2打差3位でフィニッシュした。

2024(令和6)年、アムンディエビアン選手権で大逆転勝利し、日本女子4人目のメジャーチャンピオンとなった古江彩佳
2024(令和6)年、古江彩佳が
日本女子4人目のメジャーチャンピオンに
2023(令和5)年には畑岡奈紗と笹生優花が3位に入る。そして2024(令和6)年、4回目の出場となった古江が奇跡的なプレーで頂点に立った。
1打差2位で最終ラウンドを迎え、首位のステファニー・キリアコウ(オーストラリア)、2位で並ぶローレン・コフリン(米国)と最終組でプレーした古江は序盤で一時首位に並ぶが以降は伸び悩み、13番を終えた時点で通算14アンダーパー、3打差4位に順位を下げていた。
14番、10メートルを超えるバーディパットがカップに転がり込んで反撃のノロシを上げる。15番ではさらに長い距離のバーディパットをねじ込んでみせた。16番パー3は1打目を2メートルにつけて3連続バーディだ。17番で首位のキリアコウがボギーを叩き通算17アンダーパーに後退。パーの古江がついに追いついた。
2組前を行くパティ・タバタナキット(タイ)が18番パー5でイーグルを奪い、通算17アンダーパーで終了。最終組が18番に入った時点で古江、キリアコウ、タバタナキットが首位に並ぶ展開になった。18番グリーン上、最終組でただ1人2オンに成功した古江が4メートルのイーグルパットを決めて右手を高々と掲げる。14番からの5ホールで5アンダーパーをマークするミラクル逆転劇で樋口久子(1977年全米女子プロゴルフ選手権)、渋野日向子(2019年AIG全英女子オープン)、笹生優花(2021、24年全米女子オープンゴルフ選手権)に続く日本女子4人目のメジャーチャンピオンが誕生した。
メジャーに昇格した2013年以降、2025(令和7)年まででのべ72人の日本選手が出場し、優勝1回、3位3回、10位以内は計8回の成績を残している。
文/宮井善一
アムンディエビアン選手権日本選手各種記録
| 項目 | 記録 | 選手名等 |
|---|---|---|
| 最多出場回数 | 7回 | 上原彩子 |
| 最多第3ラウンド進出回数 | 5回 | 上原彩子、古江彩佳 |
| 最多10位以内回数 | 2回 | 古江彩佳 |
| 最高成績 | 優勝 | 古江彩佳(2024年) |
| 18ホール最少ストローク | 63(-8) | 古江彩佳(2022年1R) |
| 63(-8) | 吉田優利(2025年3R) | |
| 72ホール最少ストローク | 265(-19) | 古江彩佳(2024年) |
| 72ホール最多アンダーパー | -19(265) | 古江彩佳(2024年) |
| 最年長出場 | 35歳215日 | 上原彩子(2019年) |
| 最年少出場 | 17歳313日 | @梶谷翼(2021年) |
| 大会別最多出場人数 | 12人 | 2025年 |
| 大会別最多第3ラウンド進出人数 | 8人 | 2024、2025年 |
| 大会別最多10位以内人数 | 2人 | 2023、2024年 |
| ローアマチュア | @安田佑香(2019年) | |
※メジャーに昇格した2013年以降のデータ
@はアマチュア
参考文献
日本ゴルフ殿堂ウェブサイト『海外メジャー日本人選手成績』
LPGA Tour Online Media Center
『スポーツニッポン』2013年9月16、17日付、2017年9月15~18日付
INDEX

